解説
Q&A — このツールの説明
このページは、AI Stock Agent が何をするツールで、何をしないツールかを、専門用語なしで説明することを目的としています。投資助言ではなく、リサーチ自動化とペーパートレードの仕組みの解説です。

完全版は docs/EXPLAINER_QA.md にあります。
基本のキ
Q.AI Stock Agent とは何ですか?[+]
A.複数の LLM エージェント(Bull / Bear / Technical / Fundamental / Risk Manager / Trader)に役割を割り当て、米国の大型ハイテク株(Mag7 と AI 関連)について毎日リサーチを行う仕組みです。出力は研究レポートとペーパートレード(仮想取引)の記録で、利益を約束するものではありません。
Q.自動でお金を増やすツールですか?[+]
A.いいえ。研究の自動化とペーパートレードの記録のためのソフトウェアです。過去の結果は将来を保証しません。
Q.実際の取引(発注)はしますか?[+]
A.デフォルトでは行いません。発注のためには環境変数 TRADING_MODE=live と実取引用 API キーが両方明示的に揃っている必要があり、初期状態ではどちらも設定されていません。
Q.これは投資助言ですか?[+]
A.いいえ。個別の状況(資金・目標・リスク許容度・税制・地域規制)を踏まえたアドバイスではなく、汎用のリサーチ出力です。特定の銘柄の買い/売りを推奨するものではありません。
Q.ペーパートレードとは?[+]
A.実際のお金を動かさず、現実の市場価格で「もし発注していたら」の記録だけを残す手法です。戦略検証とリスク管理ルールの試運転に使います。
Q.リサーチ自動化 / ペーパートレード / ライブトレードの違いは?[+]
A.リサーチ自動化はデータ収集と LLM 議論の自動化、ペーパートレードはさらに仮想発注の記録、ライブトレードは実ブローカーへの本物の発注です。本プロジェクトは前 2 つが中心で、ライブは利用者が明示的に複数の安全装置を解除しない限り起動しません。
どう動いているのか
Q.どんなデータを見ていますか?[+]
A.株価(OHLCV、yfinance)、ファンダメンタル指標、ニュース(yfinance + Yahoo Finance RSS + 必要に応じてローカル JSON 固定データ)。すべて無料公開データです。
Q.ニュースのソースはどう動くんですか?[+]
A.複数のソースを束ねたコンポジットが、銘柄ごとに全ソースに見出しを問い合わせ、タイトル類似による重複を落とし、新しい順に並べて上位 N 件を LLM に渡します。1 ソースが落ちても残りで議論を進めます。
Q.売買シグナルはどう作られていますか?[+]
A.RSI / MACD / 移動平均 / ボリンジャーバンド / ATR の基本指標に加え、オプションで Ichimoku / ADX / OBV / Stochastic を計算し、数値スナップショットとしてエージェントに渡します。
Q.AI エージェントは何をするんですか?[+]
A.Bull / Bear / Technical / Fundamental の各アナリストが材料に基づいて主張を出し、Risk Manager がリスク観点で批評し、Trader が議論を踏まえて最終判断を出します。1 つの会議をしているイメージです。
Q.最終的な行動はどう決まりますか?[+]
A.Trader が BUY / SELL / HOLD のいずれかを出します。ただし出力はそのまま採用されず、Kelly 基準でサイズを縮小したうえで、ポジション上限・セクター上限・キャッシュバッファで再クリップされます。
Q.なぜ Trader の出力は厳格な JSON でなければいけないんですか?[+]
A.自由記述を曖昧に解釈して発注に変換すると、誤読が直接損失になります。固定スキーマを Pydantic で検証し、不正な出力は採用せず無視します。「たぶんこういう意味」を残さない設計です。
Q.ティアシート(tear sheet)って何ですか?[+]
A.バックテスト結果のサマリーです。総リターン、シャープレシオ、最大ドローダウン、ボラティリティ、VaR、月次・年次リターン、勝率、銘柄別寄与などを 1 枚にまとめ、Markdown と JSON の両方で出力されます。
Q.ダッシュボードには何が表示されますか?[+]
A.最新ランのサマリー、当日の意思決定、提出された発注、過去ランのエクイティ推移、バックテスト ティアシート、購読導線、この Q&A。すべて静的ファイルから読み込まれ、ダッシュボード自体は売買判断を行いません。
なぜ最初は米国株なのか
重要な前置き: 米国株が常に日本株より優れているという意味ではありません。初期実装の対象として、データの密度と扱いやすさの観点で米国大型株が向いているという話です。
Q.なぜ米国株を最初の対象にしたんですか?[+]
A.研究システムが扱いやすいデータが揃っているからです。具体的には(1)取引参加者が多く出来高が大きい、(2)スプレッドが小さい傾向、(3)英語ニュースとアナリスト カバレッジが厚い、(4)無料データ API が充実、の 4 点が揃いやすいためです。米国株が儲かるからではありません。
Q.なぜ Mag7 / AI 関連銘柄?[+]
A.流動性が厚くスリッページが小さい、ニュース密度が極端に高く LLM のコンテキストが薄くならない、過去データが豊富でバックテスト統計が安定する、という消去法的な理由です。研究のテストベッドとして条件が整っています。
Q.なぜ日本株から始めなかったんですか?[+]
A.日本株が劣っているからではありません。初期の研究システムにとって扱いやすい英語ニュース・アナリスト・無料データの量が、米国大型株のほうが厚いという技術的な理由です。日本株は分割・株主優待・呼値ルールなど特有処理も必要で、後続フェーズで TOPIX/プライム上場主要銘柄の追加を検討しています。
Q.流動性(liquidity)って何ですか?[+]
A.ある銘柄をいつでも、価格を大きく動かさずに、買ったり売ったりできる度合いのことです。出来高が大きく買い手・売り手が常にいる銘柄ほど流動性が高いとされます。
Q.流動性が高いとなぜ嬉しいんですか?[+]
A.(1) 注文した値段に近いところで約定しやすい、(2) 自分の注文で価格が動いてしまうスリッページが小さい、(3) 想定外の値動きでも手仕舞いしやすい、(4) バックテストで推定した取引コストが現実に近い。研究システムにはノイズが乗りにくい実験環境になります。
Q.スプレッドが狭いとなぜ嬉しいんですか?[+]
A.売値と買値の差は取引のたびに実質的に支払うコストです。狭いほど往復コストが小さく、シミュレーションで儲かるはずだった戦略が現実のスプレッドで赤字になる現象を防ぎやすくなります。
Q.ニュース・アナリスト カバレッジが多いと AI リサーチに何がいいんですか?[+]
A.材料が薄いとエージェントが推測に頼りすぎて判断の信頼性が落ちます。カバレッジが厚いと Bull / Bear が同じ材料を異なる視点から論じやすく、議論が成立しやすくなります。
Q.米国株だけに偏ることのリスクは?[+]
A.あります。為替リスク、Mag7 + AI 関連の共通マクロ要因(金利・AI 需要・半導体サイクル)への連動、米国市場の取引時間が日本では深夜、1 国 1 セクター集中。これらは将来「日本株 / 別セクター / 別資産クラス」を追加することで分散する方針です。
リスクと安全装置
Q.キルスイッチ(kill switch)とは?[+]
A.1 日の損失が設定値(既定 3%)を超えた瞬間、その日の発注を全て止める仕組みです。発注の前後で必ず呼ばれ、いかなる戦略変更でも迂回できません。
Q.ドローダウン停止とは?[+]
A.過去最高値からの下落幅が設定値(既定 15%)を超えた場合、取引そのものを停止します。キルスイッチと違い、これは設計通りに動いていない可能性のシグナルとして全体を止めます。
Q.ポジション上限とは?[+]
A.1 銘柄あたり最大配分 20%、総ロング露出 100%、最低現金バッファ 5%、1 セクター最大 40%。Trader の判断は必ずこれらで再クリップされます。
Q.AI が不正な出力を返したらどうなりますか?[+]
A.採用しません。Pydantic スキーマで検証し、不正な場合はその銘柄のその日の意思決定をスキップします。推測で補完することはしません。
Q.ニュース取得が失敗したらどうなりますか?[+]
A.失敗したソースだけを無視して、残りのソースで議論を進めます。1 ソースの障害が議論全体を止めない設計です。
Q.なぜライブトレードはデフォルトで無効なんですか?[+]
A.利益が出る保証がない実験段階のシステムであり、設定ミスや LLM の暴走で実損が出るリスクが高すぎるためです。TRADING_MODE は paper が既定で、live への切り替えと実取引キーの両方が揃わない限り発注は走りません。
Q.ライブトレードを検討するには何が必要ですか?[+]
A.(1) 十分なペーパー トレード期間での再現性、(2) 複数の市場局面でのバックテストとティアシート確認、(3) 安全装置の発火検証、(4) ブローカー設定・税制・地域規制への明示的同意、(5) 利用者本人による明示的オプトイン。本ツール側でライブを推奨することはありません。
購読 / アップデート
Q.購読すると何が届きますか?[+]
A.研究ノートです。新しいバックテスト ティアシートの解説、リスク設定変更の影響レポート、戦略が期待通りに動かなかったときのポストモーテム、OSS のリリースノートなど。
Q.届く内容は投資助言ですか?[+]
A.いいえ。個別の状況に対するアドバイスは一切含まれません。「この銘柄を買うべき / 売るべき」という記述もありません。
Q.なぜ今は購読がローカル限定なんですか?[+]
A.外部メール配信サービスと契約していないためです。現在はフォーム送信内容を dashboard/data/subscriptions.jsonl に追記するだけです。将来の Buttondown / Beehiiv / ConvertKit / GitHub Discussions への移行手順は docs/SUBSCRIPTIONS.md にあります。
Q.どんな頻度で更新が送られますか?[+]
A.バックテスト方法論を変えたとき、リスク設定や Trader プロンプトを大きく変えたとき、想定外の挙動が起きたとき、OSS の機能リリース時。毎日のペーパー結果は流しません(ダッシュボードで確認できます)。